大災害の後、被災していない多くの人は自分には何もできないような気がして、無力感を感じやすくなります。しかし、大切なのは絶望の中に閉じこもることではなく、自分の価値を受け取ること。あなたが祈ることで救われる人がいる、そのことをぜひ知って下さい。
「私には何もできない」
東日本大震災から5年、熊本地震から3ヶ月が経ちました。
テレビをつければ、目の前に広がる甚大な地震の被害。あまりにも恐ろしい現実に、どうか夢であってほしいと震えながら願った日を今でも思い出します。
一方、被災地以外ではSNSの発達により情報をシェアしたり、ネット募金をしたり。小さな絆が大きな輪を作ることも出来るようになりました。
ところが被災していない多くの人は、自分には何もできないような気がして無力感を感じやすくなります。
助けてあげられない、救ってあげられない。
自分は力がなく、役にたたない人間なんだ。
こうした感覚の中に入ってしまうと、本来のあなた自身の価値は見えなくなってしまいます。
大災害の時は、人の心の中にある不安と怖れが吹き出します。その不安と怖れは、あなたに孤独を感じさせるかもしれません。容赦なく無力感と罪悪感を植え付けるかもしれません。
しかしそれは真実ではありません。
大災害が起こると、その場所には世界中から愛と祈りが集中します。どんなに離れていても、人との繋がりは不安と恐れを癒すのです。
祈りは通じる
アメリカの研究に、次のような実験がありました。
まず末期がん患者を無作為に選び、AとBの2つのグループに分けます。
Aグループの患者さんは、遠く離れたところに住む健康な人から、回復を祈ってもらう。
Bグループの患者さんには、まったく何もしません。
その結果は、驚くべきものでした。
回復を祈ってもらったAグループの患者さんは、明らかに回復率が高かったのです。患者さんは、自分が祈ってもらっているとは知らなかったにも関わらず。
この実験は、ニューヨークでもロサンゼルスでも行われました。そして、何度実験しても同じ結果になったそうです。
これは、祈りに効果があるということが、科学的に証明されたことになります。さらに、距離に関係なくその効果が表れるということも。それほどまでに、祈りには素晴らしい力があるということなのです。
祈ることで得られるもの
物質は使えば使うほど少なくなるけれど、心は使えば使うほど豊かになる
私は師からからこのように教わりました。祈りはまさに、他人だけではなく自分の心も満たしてくれる行為だと言えるでしょう。
脳科学的にも
「◯◯さんが幸せでありますように」
このように祈っている時、脳からはドーパミンなど「快」を感じる物質が分泌されることがわかっています。
この脳内のメカニズムは「ヘルパーズ・ハイ」と呼ばれており、祈りをはじめとした「人を助ける行為」で脳内には快感物質が生み出され、助けた側の人も幸せを感じることができるというわけです。
心は使うほどに豊かになります。そして愛は、差し出すことで泉のように湧いてくるものなのです。
私たちには出来ないことがたくさんあります。出来ないことはまず認める、そしてできない自分を許してあげましょう。
しかし、出来ることもたくさんあるはず。できないことにフォーカスして無力感に苛まれるよりも、もっと大切なことは自分の価値を受け取ることです。あなたが助けたい、その人のために。
あなたが祈ることで、救われる人がいる。そのことを、ぜひ知っておいて下さい。
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