まるで、ビジネスの世界の話のようですが、宝塚歌劇団のお話です。102年の歴史の中、4600人あまりの入団者に対して、トップスターと呼ばれたのは約190人。宝塚スターの登竜門たる「宝塚音楽学校」の合格倍率は約20倍ですが、入団後にトップスターと呼ばれるようになるには、キビシイ世界。この超競争社会をファン目線でご紹介!
宝塚は入団後も試験が!
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宝塚をこんなに愛するようになったのは、何故だろうと考えるときがあります。
毎年宝塚では、40数名の入団者がいる反面、同じくらいの退団者がいます。
まるで、桜が一気に咲いて一気に散るがごとく、潔いほどの美しさです。
宝塚歌劇団では、入団されている方たちを「生徒さん」とよび、
それは宝塚歌劇の生みの親 小林一三氏が、「良家の子女」たちという意味で
「生徒さん」と呼んでいたことに起因しています。
入団試験はありませんが、入団後1年目、3年目、5年目に試験が実施され、 この成績によって、その後のパンフレットの、 同期内での名前の掲載順序に影響をあたえます。 ちなみに、全体の名前の掲載順は、入団した順になります。
成績優秀者がトップになるとは限らない。
歌劇団入団=研究科1年とよばれる生徒さんたち。
研究科といわれるだけあり、入団したということに甘んじることなく、
日々芸事に磨きをかけるべく、勉強が欠かせません。
試験の成績優秀者たちは、下級生時代「いい役」に選ばれますが、
将来が盤石なわけではなく、下剋上が繰り広げられることもあります。
それは、次期星組のトップスターになる紅ゆずるさんをはじめ、
退団後は芸能界で活躍されている元トップスターの、
真矢みきさん、真琴つばささん、壇れいさんたち、
成績の上位者でない方たちの存在です。
宝塚では実力派スターのことを「三拍子揃った」と形容します。 歌、お芝居、ダンスに秀でた方たちのことですが、 上で名前をあげた方たちは、「三拍子揃った」とよばれていたことはありません。
でも、実際に舞台を見ると不思議と目がいってしまい、とても華があります。
トップスターを目指すとなると、数多のハードルがあり、
いい役について結果をだすのはもちろんのこと、ファンの人数や、
公式グッズやチケットなどで劇団に売り上げの貢献をし、
また人柄にも優れ、スターとして舞台で輝く存在になる必要があります。
書いているだけで、自分にはとてもできそうにありません。
自分の応援する生徒が、トップスターになったとき…
そのスターさんたちを応援するファンについて、私の場合はというと…。
初めて見たときは、まずトップスターの真矢みきさんカッコイイ!
となって、その後、回数を重ねて見ているうちに、、
下級生さんたちに目がいくようになりました。
光るものがある、将来スターさんになるはず!
素顔がもっと知りたい、の流れで、
その人のファンクラブに入り、
すっかり宝塚のとりこへの道を突き進むことに…。
「男役10年」といわれますが、女性が男性を
違和感なく演じられるようになるには、
最低でも10年の修練が必要ということを表す言葉です。
そのため、男役トップスターは
入団後10年以上経ってからの就任がほとんどです。
でも、応援する生徒さんが、大きな羽を背負って大階段を
下りてきた姿を見たときは、思わず涙があふれました。
当初は、トップスターに上りつめたという
純粋な喜びでいっぱいでしたが、
時間が経つと、自分の目のつけどころは良かったな、など
青田買いして育てる楽しみを、実感!
この青田買いの楽しみを知ってしまった私ですが、
宝塚の最大の魅力は、私生活や仕事などいろいろあって、
観劇回数が減ったりと、疎遠になることがあっても
変わらず夢の世界を紡ぎつづける存在でありつづけていることだと思います。
宝塚は永遠に!です。
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