現役のドクターであり、テレビの医療コメンテーターも務め、美容コラムも多く発表しているアラフォー女医が内側から潤い、そして強くなる、芯のしゃんとした生き方をご提案いたします。
ある程度の品質を備えていれば、その物がつくられる過程で違法なことがあろうとも、雑成分が入っていようとも、将来とりすぎてなくなってしまおうとも、私には関係ない。
ただ、ただ、今安いほうがいい。
そういう考えって少なからず人間にはあると思うのです。
限られたお給料の中で、より良く暮らしていく。
全てに正論なんか言っていられないという現実、私にもあります。
その中でもいくつか、
「これだけは譲ってはいけない。これを見て見ぬふりをしたら、人間として自分に納得がいかない。」
そういうことも自分の中で残っていると思うのです。
なんとなく胸の奥がキューッとなるような痛みや、モヤモヤした気持ち。 まるで自分のプライドが軋んでいるような。
私はちょっと高くても、プライドで選んで買い物をすると決めているものが幾つかあります。
1.ボックスティッシュやロールペーパー
2.動物のリアルファーや装飾品
3.アルガンオイル
1.のボックスティッシュやロールペーパー。
世界でも有数のパルプ消費国の日本。
しかも日本で生産している紙の原料となるチップのほとんどが、世界の森を伐採して調達している輸入品のチップ。
森林保護を考え開発された、再生紙利用もあまり進んでいません。
古紙1トンを再生紙の原料にすると、立ち木20本を守ることになるのです。
また、適切に森林保全をしながら管理利用している木材を使用したティッシュと紙類には、FSCマークが製品についています。
この商品の売上の一部が、森林保護関連に利用されているそうです。
もちろん色々な事情を考えるべきことはあるとして、今できることはないのかなと思うと、ちょっぴり高くてもこのFSCマークが付いているもの、肌触りが落ちても再生紙利用のものを買うようにしています。
FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は、木材を生産する森林、そしてその森林から切り出された木材を使って生産・加工を行なっているかどうかを認証する国際機関の一つです。FSCは、森林環境保全に配慮し、地域社会の利益にもかない、経済的にも継続可能な形で生産された木材を認証するだけでなく、このFSCのマークが入った製品を買うことで、消費者も世界の森林保全に間接的に関与できる仕組みです。
2. 動物のリアルファーや象牙や珊瑚、動物の剥製などなど。
世界では国立公園内で保護指定されている動物でさえ、今でも違法に殺されその角、皮やファーなどが取引されています。
またリアルファーを得るために、何万匹ものウサギなどが生きたまま皮を剥がれています。
人間の欲しい美のために、生きているものを殺すのは、私の中では知性のある美とは感じられません。
もちろん欲しがる人がいるから、売る人がいて、それで生計を立てている人もいらっしゃるのですが、あくまで私には一生欲しいと思えるものではないです。
それなら私はフェイクで十分!!
ちなみにハリウッド女優で有名なアンジェリーナ・ジョリーもリアルファーの反対派で、ゴージャスなシーンで映画で使用したものは全てフェイクだとあえて公表しています。
その発言が出来るってことが、むしろゴージャスで素敵に感じました。
3. アルガンオイル
にはまっていることは、このコラムの初回にも書かせていただきました。
アルガンオイルはアルガンツリーの種子からとれるもので、とても希少なものです。
モロッコもベルベルという地方の方が大事に育てながら、先々を考えてその実を収穫します。
そして精製にあたる現地の女性の労働環境や社会的地位をも向上させながら、スローフードとして世界で認められてきました。
その種子を持ち出し、勝手に育成し、粗悪な状況で作り出して、アルガンオイルという名前は使えないので、モロッカンとかゴールデンとか名称を変えて、類似品は実に多数販売されています。
逆にこの類似品の発展による販路拡大は、本家のアルガンオイルの宣伝にもなっているともいえます。
そもそも類似品を止めることは、きっと出来ないのだと思います。
値段だって全然違うし、これこそピンキリなのです。
でも私は本家のアルガンオイルを買うようにしています。 これはプライド以外の何物でもないです。 そしてなにより味も香りも違いますしね。
こうして世界の現状を知り事実を知った上で、プライドで買い物をするというのは、自分の中にその物の効果以上の“何か“を私の中に残してくれる気がします。
たかが10円、100円。
されど10円、100円。
痛いなぁ・・・と思うときもあります。
もしそれを捻出する必要があるなら、お昼にお弁当を作ればワンコイン浮くな、ダイエットにもなるからなぁとか、ポジティブに考えて、プライドでお買い物できる自分を支えています。
自分に自信がなくなった時とか、沈みがちなときにも
「私、まだいける!」
そう思うきっかけになったりもしています。
大人の女性になった年代だからこそ
“自分を嫌いになる買い物“ではなく、“自分を好きになる買い物“、プライドで買い物したいなと思う今日この頃です。
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