今年も猛威をふるっているインフルエンザですが、実はインフルエンザに罹ったことがないんだよねという方に。本日はA型、B型どちらも罹った私のインフルエンザ体験をお伝えしたいと思います。
インフルエンザウィルスは大きく分けてA型、B型、C型の3つに分類されます。このうち例年11月頃から始まり1月から3月頃にピークを迎えるのがA型とB型です。
A型の症状特徴
・38度を超える高熱発症
・肺炎など深刻な呼吸器系の合併症
・のどや関節、筋肉などの痛み
B型の症状特徴
・下痢や腹痛
・人から人への感染
・A型に比べ症状がやや軽め(熱も微熱)
というのが一般的で、特にA型インフルエンザは症状が重く、また感染後に体内でどんどん進化して新型ウィルスが生まれてしまい、毎年新型に対応するワクチンが追いつかない状況でもあります。
“まさか!のインフルエンザA型デビュー”
実は私、生まれてこのかたインフルエンザに罹ったことがありませんでしたし、インフルエンザの予防接種も一度も受けたことがありませんでした。
ですが、数年前に自宅の引っ越しやら年明けということも重なって、飲み会続きという日々を送っていたところ、あれ?なんだかずっしりと体が重い…背中が痛むなぁ…という日が。
私はあまり風邪という風邪を引かないのですが、4年に1回くらい寝込むくらいの風邪を引いてしまうことがあります。
呼吸器が弱いので、だいたいの原因は喉から風邪の菌が入って、咳が始まり熱を出すというパターンなのですが、このときも風邪の引き始めかも?くらいに考え、温かい物を食べてぐっすり眠れば何とかなるだろうくらいに高を括っていました。
ですが翌日目覚めてみると頭も体も重く、怠さと悪寒のゾンビ状態で急いで熱を計ってみるとなんと38度超え!!
私は平熱が低いので、ちょっと熱を出しただけでもすぐにフラフラになるのですが、38度超えはおそらく10年ぶりくらい。
引っ越したばかりの環境で、かかりつけだった病院はさすがに遠く、慌てて近所の病院を探し土曜日に診療してくださる病院を見つけることができました。
医師からはインフルエンザが流行っているのでその検査を一応しましょうとなりました。
長い綿棒を鼻の中に入れ粘膜を採取して検査するのですが、10分程度で分かるということ。
結果はインフルエンザA型陽性。
私のインフルエンザ未感染というタイトルは脆くも崩れ、そんながっかり感をよそに先生は丁寧に今後のケアについて説明してくれました。
インフルエンザに効果があるとして当時処方されていたのは、リレンザ(吸引)やタミフル(服用)といった薬でした。(2017年当時)
ただ、メディア情報でタミフルの副作用が問題として取り上げられていたのは、インフルエンザと無縁だった私でも知っていたので、内心タミフルを処方されたらどうしようとビビっていたのですが、
『ラピアクタという新薬があって、これは点滴1回の投与で済むので服薬する手間も省けるし、どうでしょう?』
という先生の説明に、とりあえず疲弊しきっていた私は“点滴1回で済む“という楽さを優先してお願いしました。
点滴後は解熱剤を渡され、とにかく安静に養生して下さいとのことで家路に着きましたが、ここから2、3日は高熱との闘いでした。
解熱剤(この時はロキソニン)を飲んできっちり8時間は熱も37度くらいまで下がるのですが、薬の効果が切れてくるとまたもとの38度代に戻るという繰り返し。
インフルエンザの症状といっても人それぞれあるようですが、私は熱以外では下痢や嘔吐、呼吸器系の不調はなかったのでそういった意味では楽でした。
ですが熱がぶり返すと関節や筋肉、目の奥の痛み、悪寒と怠さとの格闘で全く使い物にならないことだけは間違いありません。(笑)
“またか!のインフルエンザB型デビュー”
それから1年後のインフルエンザのピークも過ぎようとしていた矢先です。
数日前から咳が出るなと悪い予感はしていたのですが、寒気と気怠い感じで熱を計ってみると37度代。
インフルエンザはいっきに高熱を出すという情報(現に自分がそうなった)を信じきっていたので、これくらいはただの風邪であろうと踏んでいたのですが、その夜からひどい咳で眠れないほどになり、翌朝どうにもならず隣町の救急病院に。(この日が運悪く日曜日だったのです)
やはりここでもインフルエンザの検査をしたのですが、結果は陰性。
呼吸器系が苦しいと言っているのに聴診器すらあてず、処方されたお薬は解熱剤。
専門外来ではないので仕方がないかと、とりあえずインフルには罹っていなかったという安心感でほっとしたのが甘かった。
翌日になってますます咳は酷くなり、ヒューヒューというあの恐ろしい胸の苦しさが。
相変わらず微熱が続き、体は怠い一方。
これは本格的にマズイのでは?と思い、かかりつけの耳鼻咽喉科へ行くとやはり気管支炎を起こしているのと、再検査の結果なんとインフルエンザB型も発症しているではありませんか!!
インフルエンザの検査はタイミングが大事
一般的に使用されているインフルエンザ検査は迅速診断キットによる検査が用いられています。(前述した綿棒で鼻や喉の奥をこすり粘膜を採取して検査)
ですが インフルエンザウイルスの量がある一定以上に達していないと、陽性と判定されにくいという欠点があります。インフルエンザに感染後、インフルエンザウイルスが体内で増殖するまでには時間がかかります。つまり、12~24時間経過してこの検査を行わないと、陰性という結果が出てしまうことがほとんどだということ。
恐らく私もタイミングが合わず、救急で訪れた病院での検査では反応しなかったということでしょう。
しかも、私の場合気管支炎を起こしており耳鼻咽喉科の先生からは、気管支炎を抑える薬を処方するとインフルエンザ薬を処方しても効かないということで、結局熱の苦しさに耐えるか、呼吸器の苦しさに耐えるかの選択で、私は苦しいのに耐えられず呼吸器の治療を優先しました。
どちらにしても、あのままインフルエンザではなかったと安心して放っておいたら、体力を持って行かれて、重症化すれば肺炎になっていてもおかしくはない状況だったというのですから恐ろしい限りです。
インフルエンザは自然治癒できる!?
意外と知られていないのが、インフルエンザは実は自然によくなる人がほとんどです。
抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑える作用のもので、決して死滅させるベストな薬ではないのが現状です。
簡単に言うと、重症化するハイリスク患者でなければ、1日早く解熱する程度…ということです。
私もB型に感染したときは同じことを耳鼻咽喉科の先生に言われ、しかもある程度時間が経ってしまうと、薬を飲んでもあまり効果はないとのこと。
むしろ、高熱が出ているときに無理に病院に通うことのほうが伝搬してしまうリスクがあり、それならば自宅で安静にしているほうが良いと考えている先生が本当のところ多いようです。(ただし、これは若く普通に体力がある人がベースの考えです。)
実際A型B型どちらにも罹った感想ですが、高熱で4、5日は苦しんだA型でしたが、私にとってはイマイチ症状が分かりづらく甘くみていたB型のほうが厄介だなと感じました。
ケアが遅れ、持病を併発して悪化させ、結果的に不調状態を長引かせてしまった点では、分かりやすいA型の症状のほうがかえって気が楽だったりします。
これらを踏まえ私が検査をすぐに受ける理由は、社会的マナー(人にうつさない為)という考えと、自分に呼吸器系の持病があるので、併発重症化するリスクを避けるためです。
インフルエンザB型に罹って薬を飲まない状態で行ったセルフケア
結局B型に罹患したけれど、薬を飲まずに治すことになった私のセルフケアをお伝えします。
・何はともあれ自宅で暖かくして安静(睡眠第一)
・高熱にともなう脱水症状を予防するためにこまめに水分補給
・汗をかいたら頻繁に着替えをする(体を冷やさなように)
・適度に加湿して新たな二次感染を防ぐ
・消化の良い物を食べる(食欲があっても、普段通りの食事をすると消化に体力を持っていかれるので)
ここまでは皆さんが風邪を引いた際にも行うケアですよね。
A型に罹ったときに多少なりとも学習した私はこれに、植物療法をセルフケアとしてプラスしました。
エルダーフラワーというハーブをご存知ですか?
これは『インフルエンザの特効薬』と言われ、利尿作用や発汗作用が高く、デトックス効果が期待できるのですが、これにビタミンやミネラルが豊富なネトルというハーブを組み合わせて温かいハーブティーにして飲んでいました。
気管支炎のせいで粘膜も荒れていたので、粘液を整える作用にも有用なこのハーブティーは静養中、とてもお世話になりました。
ちなみにお茶パックに詰めて、外出用のタンブラーに放り込んでおけば、いつでも熱い状態で飲めますし、何度もお湯を湧かしてという手間も省けます。
また加湿に加えて、ユーカリやラベンサラといった抗菌、抗ウイルス作用に有効的なアロマオイルを二次感染の防止と免疫力向上のために焚いていました。
体がまいってしまっていると、心も落ち込み気味になりますが、良い香りに包まれていると気分も上がります。
また、酷い咳のせいで喉の痛みも煩っていたので、のどの粘膜を鎮静してくれるフランキンセンスと、過剰な粘液を排出するサイプレスを、カップに注いだお湯に1滴ずつ垂らして、蒸気を吸入する方法をこまめに取り入れていました。(お試しの際は火傷に注意して目を閉じて行って下さい)
私のようにアロマオイルを多数常備して普段から活用しているならともかく、あまりアロマテラピーに詳しくはないけれど興味はあるという方は、風邪やインフルエンザが流行るこの時期に、ユーカリのアロマオイルを1本常備しておくと何かと役に立つかと思います。
最後に、これは一人暮しの方にはぜひとも伝えておきたいことですが、風邪であれインフルエンザであれ、寝込んでしまうときというのは急にやってきます。
そのためにも日頃からこれくらいは用意しておいてほしいリストです。
・ミネラルウォーターはケース買いしておく
・お粥やレンジでチンして食べられるご飯などのレトルトは10食分くらい備蓄
・缶詰や保存の効く食料は3日分くらいを常備
・自分の住まいの近くにかかりつけの病院を作る(診療時間と休診日を覚えておく)
・一番近い救急対応の病院を調べておく
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