私たちは、毎日たくさんの香りに囲まれて生活しています。そうした香りは、思いのほかその場所の印象に大きな影響を与えています。ついついまたこの場所に来たくなる!買うつもりがなかったのに思わず買っちゃった!その行動、香りが犯人かも!?
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先日、仕事の打ち合わせで、渋谷のヒカリエへ行ってきました。 少し早く着いたので、進化系レストルームと言われているスイッチルームへ。 大人の女性がONとOFFをスイッチさせる場としてできた「スイッチルーム」というコンセプトにふさわしい家具や装飾品、そして何よりも気になったのが「香り」でした。 こちらは、コンセプトに合わせて全6フロア異なる香りで、リラックス&ラグジュアリーな空間を演出しているそうです。
快適に過ごせる環境づくり
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今は、いたるところで香りを感じることができるようになりました。 デパートのトイレや、駅ビルのショップ街の通路、ホテルのロビー、事務所のエントランス・・。 お客様が元気になり、快適に過ごせる環境づくりを目指し、香り発散システムを取り入れるところが増えているようです。
香りの選び方にも工夫が!
香りの選び方にも工夫がされています。 西武鉄道では、所沢駅と池袋駅の改札窓口やトイレに香りを広げています。 香りは季節で変えており、トラブル相談の多い改札窓口ではリラックス効果が期待できる香りを、トイレには男女の好みに配慮した香りを選んでいます。
日本一暑い街の市役所でも
熊谷市役所では、夏に来庁される市民の方の暑さによる不快感をやわらげるため、涼しいアロマの香りで「暑さ対策」を行っています。 清涼感のあるミントを中心とした天然100%エッセンシャルオイルの演出を行っています。
ブランドのPRに
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香りをブランドのPRに生かす試みもあります。 ザ・リッツ・カールトン大阪では、高級感があり落ち着いた印象の香りを1階のフロントやロビー周辺の空調システムから流しています。 懐かしい香り!とロビーに着いた瞬間に喜ぶリピーター客や、自宅でもホテル気分を味わいたいとホテル内のブティックで同じ香りのオイルを買い求める客も多いそうです。
知らぬ間にお財布の紐が緩んでいる?
ホリデーシーズンのショッピングモールには、シナモンの香りが漂っています。
楽しげな香りは、買い物意欲を増進させ、この店にまた来ようという気にさせるというコンセプトがあるそうです。
また、デパートチェーンのブルーミングデールズでは、水着売り場にココナッツの香りを漂わせていたり、紳士服の高級ブランド:ヒューゴ・ボスなどの店舗でも、ブランドを象徴する香りに関して、専門家の知恵を受けているそうです。
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もう少し身近なところでは、スーパーのサミットです。
こちらでは、カレーのルーや野菜売り場に香りを広げる装置を設置しています。
カレーの香りを放つようにしたところ、ルーの売り上げが導入前より3割もアップしたそうです。
色彩心理学では、橙色(オレンジ)は、暖かさや自由を象徴し、解放感と楽しい気分を与えてくれる色と言われています。
「購買色」に分類されるため、Webサイトにおいて「購入ボタン」や「登録ボタン」に使用すると効果的と言われています。
このオレンジは、香りにおいても購買意欲を高めます。
オレンジの香りは、うきうきと楽しい気持ちにさせてくれます。
従って、レジにオレンジの香りを広げておくと、特に買うつもりのなかったレジ付近の商品を購入してしまうことがよくあるそうです。
マーケティング先進国の米国では、香りが人の感情や記憶に直接触れることのできる力を活かし、 お店やブランドの魅力をより積極的に伝える、香りによるブランド戦略がとても進んでいます。 そして、日本でも、私たちが気付かないところで、着実に広がりをみせています。 かつては飲食店やレストランなどでは、香りがタブーとされていたことがありました。 しかし、ストレス社会といわれる今日この頃。 人間は、ストレス状態にさらされると、自律神経系である交感神経と副交感神経のバランスを崩したり、内分泌系の乱れや、免疫系に悪い影響を及ぼしてしまいます。 香りには、日常のストレスを緩和する作用があるので、最近では人が集まる空間での香り演出が当たり前になってきています。
自宅でも香りの力で、人の心を動かそう!
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香りは、商業施設に限りません。
家の中にも、さまざまな香りがあります。
リビングの香り、寝室の香り、キッチンの香り。
生活の中での香りの演出は、家の空間や時間に応じて、香りを使い分けるのがおすすめです。
例えば、玄関。
朝、学校や仕事に向かう人を送り出す活動的なスペースには、元気にしてくれる柑橘系など爽やかな香りがよいでしょう。
日中にお客様をお迎えするのであれば、なじみのあるオレンジやひのき、ラベンダーなどもよいですね。
寝室には、眠りをサポートしてくれる、ラベンダーやマジョラムスイートなどを漂わせてみてみましょう。
心地よいだけでなく、どこかお洒落な雰囲気も浸ることができ、苛立ちやストレスの軽減にもつながります。
さらに、香りの演出に使う精油には、空気を浄化してくれる強力な殺菌作用を持つものもあります。 良い香りというだけではなく、精油が持つ天然の殺菌効果や消臭効果で室内の衛生面でも役立ってくれます。 レモンやティートリーなどの精油がオススメです。
・香りのお便り
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便箋の隅に1滴精油を垂らします。 手紙が届くまに時間がかかるため、香りがすぐには飛びにくいミドルからベースノートの香りを選びましょう。 ラベンダーやゼラニウムなど、お花の香りはミドルノートですので、オススメです。 つけすぎることなく、さりげなく香るくらいを意識しましょう。
・香るおしぼり
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ボウルに水をはり、レモンの精油を垂らして軽くかき混ぜます。
そこに、おしぼりを浸して絞ります。
お客様にお出しすると、爽やかな香りが広がり、とても喜ばれます。
レモン精油には抗菌作用があり、おしぼりには最適です。
また食欲増進作用もあるため、その後の食事も美味しく進みます。
暑い今の季節なら、ペパーミントの精油も向いています。 ひんやりとした感覚が喜ばれます。 またペパーミント精油にも抗菌作用があります。 ミントの葉があれば、おしぼりに添えてお出しすると、最高のおもてなしとなります。
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嗅覚は、五感の中でも最も原始的な感覚であり、感情や行動の決定に関して大きな影響力を持つと言われています。 香りには、人間の理性ではコントロールできない感情と記憶を呼び起こす力があります。 ぜひ、生活に上手に取り入れてみましょう。
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