今年没後120年をむかえたクララ・シューマン。一人の音楽家として、妻として、そして母として生きたクララ・シューマンと夫ロベルト・シューマン。音楽界で最も有名な夫婦をご紹介します。
山あり谷ありカップル
音楽史上最も有名な夫婦といえる、クララとロベルトシューマン。クララは19世紀に活躍した女性ピアニストで幼い頃から父親の英才教育を受けていました。12歳になる頃にはヨーロッパ各地で演奏会をするようになり、その才能を開花させていました。一方、ロベルトはクララの父親の下に音楽を勉強するために通っていました。二人が出会ったのはクララが8歳、ロベルトが18歳の時で後に恋仲になりますが、父親の大反対を受け、結婚を認めてもらうまで裁判までおこした程の山あり谷ありカップルでした。裁判に勝って、クララの21歳の誕生日の前日に二人は結婚しました。ロベルトは生涯で270曲以上の歌曲を作曲していますが、クララと結婚した1840年になんと120曲以上を作曲しています。それも、もちろんほとんどがラブソングです。音楽家は得てして「ロマンチスト」と言いますが、ロベルト・シューマンもその代表と言えるでしょう。
R シューマン/子供の情景7.トロイメライOp.15/演奏:伊藤慧 - YouTube
2016年9月12日にAmazon recordsにて発売となる「クララ&ロベルト・シューマン作品集」。 第7曲「トロイメライ」
via youtu.be
ロベルト・シューマンの代表作のひとつ『子供の情景』の「トロイメライ」。この曲集を作るにあたって、ロベルトはクララに宛てて「あなたは、僕のことを子供っぽい人だと言っていましたね。その言葉がきっかけで、いくつかの曲を作って”子供の情景”と名づけました。喜んでくれるかな。」と手紙を書いています。内容は、「不思議なお話」、「鬼ごっこ」、「おねだり」・・・と子供を連想させるタイトルの曲が並んでいますが、子供が演奏するための音楽というよりは、大人が自身の子供時代を思い出していたり、大人になっても持ち続ける子供心を描いた作品となっています。リラックスタイムのBGMとしてもおすすめの曲集です。
女性は強い!!
結婚後、妻として母として強く生き抜いたクララ。夫ロベルトは結婚後、精神障害の症状に悩まされるようになりライン川に身投げまでしてしまいます。ロベルトは46歳で生涯を閉じましたが、夫の死後クララは外国演奏旅行を増やし、集中的にコンサートを開くようになりました。クララは同時代で最高の女性ピアニストとしての地位を築き上げ、夫ロベルトの音楽を誰よりも深く理解し、誰よりも多く演奏し世に広めていきました。77歳で亡くなるまで「ロベルトの音楽を演奏していると、ロベルトの愛に包まれている気がする」と夫の作品を弾き続けていたのでした。
2016年は記念の年
クラリネットとピアノによるアフタヌーンコンサート
チケットご予約:(カワイ横浜)045-650-2351 (メールでのご予約)k-piano.company@hb.tp1.jp
クララ・シューマンの作品がコンサートで演奏される機会はあまりないのですが、今年2016年はクララの没後120年の年とあって、コンサートでも取り上げられることがあります。 筆者は9月12日(クララとロベルトの結婚記念日)にAmazonrecordsにて「クララ&ロベルト・シューマン作品集」をサウンドインレーベルよりリリースします。クララの音楽は、どれも情熱的で、繊細で、女性らしさが溢れています。そんな女性を目指して、日々過ごしていけたら良いですね。
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