「これ、やっておいてくれる?」「これもお願い!」こんな風にたくさんのお願いをされて、それらを引き受けていませんか?もちろん、それがこなせるなら問題ありません。でも、自分のキャパシティ以上に仕事を受けて、納期に遅れたり品質が伴っていなかったりするのは本末転倒。自分が受けられる仕事の量や質を正しく認識するって、とても重要なことなのです。
3両編成の電車と10両編成の電車は、そもそもキャパシティが違う
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朝の通勤時間帯。
事故や天候、点検などで電車が運転見合わせになり、振替輸送が行われることってありますよね。
振替輸送を受け入れた電車は、いつもの乗客にプラスして振替輸送を利用する乗客を受け入れなくてはいけないために大混雑。
結局、振替輸送を受け入れた電車までもが徐行運転したり、大幅に遅延したり。
受け入れ側がローカル線だったりしたら、さらに大変。
10両編成の電車の乗客を3両編成の電車が受け入れられるはずがありません。
そもそも、受け入れられるキャパシティが違います。
「そんなの当たり前じゃない」って思いますか?
でも、これを仕事に置き換えてみたらどうでしょう。
自分のキャパシティを超えて、「いいですよ」「大丈夫ですよ」と受け入れるということは、3両編成の電車が、10両編成の電車の乗客を受け入れようとしているのと同じこと。
そう、そもそも無理なのです。
「出来ない人」だと思われるのが怖い、の落とし穴
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では、そもそも無理なことなのに、どうして「無理」だと言えないのでしょう。
それは、「出来ない人と思われることが怖い」からです。
人は無意識に「誰かの役に立ちたい」と思っています。
役に立って褒められるのが嬉しいし、誰かの役に立つことで、自分の存在意義を確認したりもします。
特に仕事の場においては、「誰かの役に立ちたい」以上に、「出来ない人と思われたくない」という意識が働きます。
「出来ない人」と思われたら、自分の居場所がなくなる、評価が下がってしまう、ガッカリされてしまう、という思いが、「無理です」と言えなくしてしまっているのですね。
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
「出来ない人」だと思われたくなくて、無理して引き受けて、それでも期待通りの成果が出れば良いですが、たいていの場合は、そうはなりません。
納期に送れてしまったり、他の仕事が疎かになったり、品質が伴わなかったり・・・
無理して残業をして、体調を崩してしまうことだってあります。
そうなったら、結局は「責任を持って仕事が出来ない人」というレッテルを貼られることも。 「出来ない人」と思われたくなくて引き受けたのに、最終的には「出来ない人」と思われるなんて、本末転倒ですよね。
仕事のキャパシティは少しずつ上げていくもの
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仕事を依頼している側は、実は正確に相手のキャパシティを理解していないことが多いのです。
だから、気軽に「できるよね?」「大丈夫だよね?」と頼んでしまうことがあります。
その時、素直に「ここまでは出来るけれど、これ以上は難しい」と伝えてもらえれば、その人がどれぐらいの量や質の仕事なら受けられるのか、どこからだと少し難しくなるのかが理解できます。
チームや組織の中で、誰がどれぐらいの仕事を引き受けられるのか正しくしることは、仕事を円滑に進めるためには、とても大切です。
仕事のキャパシティは、少しずつ上げていくもの。
そのためにも、
「自分は今どれぐらいの量や質の仕事なら受けられるのか」
「どこまでなら背伸びできるのか」
「どこからは、1人では難しいから助けてほしいのか」
これを常に意識して、知っておく必要があります。
誰でも最初から10両編成の電車と同じキャパシティはありません。 仕事で失敗しながら、経験を積みながら、キャパシティを広げていくのです。 だから焦らなくても大丈夫。 少しずつ、自分のキャパシティを広げていきましょう。
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