もうすぐバレンタイン。そしてその先の春は、別れや出会いの季節。恋愛や仕事など、さまざまなシーンにおいて、相手には良い印象を与えたいもの。脳の仕組みを利用した"忘れられない人"になるための方法をお伝えします。
○○で記憶や感情が蘇るメカニズム
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街でふと男性とすれ違ったとき、あっ!昔の彼の香り・・と思い出すことはありませんか?
出会いの場や大事な仕事の会合のとき、メイクやヘアスタイル、服装を気にする方は多いかと思います。
しかし、それと同じくらい、いやそれ以上に、相手の印象に響いて残るものがあります。
それが「香り」です。
このことは、プルースト効果と言われており、科学的にも根拠があります。
プルースト効果とは、香りを嗅ぐことにより、その時の記憶や感情が蘇ること。
フランスの作家であるマルセル・プルーストが執筆した「失われた時を求めて」の中で、語り手が口にしたマドレーヌの味をきっかけに幼少期の家族の思い出が蘇ることから名づけられています。
では、なぜ、香りで記憶がフラッシュバックするのでしょう。
香りを嗅ぐと、嗅上皮の粘膜に付着し、嗅毛に受容されて嗅細胞が興奮します。
その刺激は、電気的信号(インパルス)に変換され嗅神経に伝わり、嗅球・嗅索を経て、大脳辺縁系に到達します。
ここで、記憶や本能行動と結びつき、更に視床下部に伝わりすぐに生理作用を起こします。
その後、大脳新皮質の嗅覚野に伝わり、何のにおいかが認識されます。
最初に到達した大脳辺縁系は、食欲などの本能的な行動や喜怒哀楽などの感情を司る場所です。 嗅覚は、この大脳辺縁系と直接結びついており、これは五感の中で唯一、嗅覚だけが持つ特徴です。 つまり、香りは、本能的な行動や感情に"直接"作用すると言えるのです。
第一印象を決める要素
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「人は見た目が9割」という言葉をよく見聞きしますが、人の第一印象は出会って最初の3~5秒で決まると言われています。
つまり、挨拶するかしないかといった短い時間に、相手の中で直感的に決定づけられます。
見た目だけで第一印象の全てが決まるわけではないですが、初対面で目から入ってくる情報量が圧倒的に多いのは事実です。
身だしなみや表情、目線、立ち振る舞いなどを意識しましょう。
視覚情報の次に第一印象に影響を与える割合が多い要素が聴覚です。
声の大きさやトーン、話すスピードや口調なども、第一印象の良し悪しにつながってきます。
そして、言葉を持たないコミュニケーションツールの3つめが嗅覚です。 先ほど述べたように、五感のうち、嗅覚だけが本能にダイレクトに働きかける感覚です。 つまり、香りの情報は、なんの香りかを意識する前に本能的に快・不快を判断するのです。
スローエイジング世代にオススメの香りアイテムは?
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香りを身につけるのに、手軽なものとしては、香水があります。
ただスローエイジング世代となると、もう少し香りがナチュラルなものが、よい雰囲気を与えます。
何より、香りをまとっている自分がリラックスできるものが、相手にも好印象をもたらします。
嗅覚は、疲れやすい感覚と言われており、ある香りを嗅いで香りを認識しても、ずっとその香りの中にいると、香り自体は存在しているのに香りを感じなくなります。
ですので、ずっと同じ強さで香りを持続させる必要はないのです。
それよりも、香りが徐々に変わり消えていくことで、香りの余韻がより相手へ深い印象を与えます。 ふわっと自然の香りでやさしく香らせるのにオススメなのが、アロマテラピーで使用される精油(エッセンシャルオイル)です。
好まれやすい香りと使い分け
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では一体、どのような香りが好まれるのでしょうか?
石鹸やシャンプーの香りは、清潔感を感じさせるので、男女問わず嫌いな人が少ないようです。
甘い香りは、女性の方には好まれますが、男性は苦手という方も結構いるようです。
比較的、万人に好まれる香りは、シトラス系の香りです。
オレンジやレモンなど、日頃からなじみのある香りは、抵抗なく受け入れられやすいです。
香りは、TPOに応じて使い分けましょう。 例えば、相手が友人であれば、親しみやすく爽やかなシトラス系の香りやミントなどのフレッシュな香りがよいでしょう。 恋愛のシーンでは、なじみのある香りの中に女性らしい上品な甘さのあるローズの香りなどが向いています。 贈り物をする際に、香りつきのメッセージカードを添えてみましょう。 職場では、清潔感のあるレモンやオレンジ、ローズマリーなど、ややスッキリとした香りが好まれます。 香水売り場に置いてある試香紙などに香りを垂らし、名刺入れに入れておくとよいでしょう。 名刺交換をした際に、ぐっとあなたを印象づけてくれるはずです。
香りで相手に与える印象を演出
ところで皆さんは、どうやって香りを選んでいますか?
お花っぽい香りが好きだからフローラル系、爽やかな香りが好きだからシトラス系と、香りの系統から好みのものを選ぶ方が多いのではないでしょうか。
私は、アロマテラピーを伝える仕事をしていることもあり、リラックスしたい、リフレッシュしたいといった効果を期待して選ぶことも多くあります。
このように、身につける人の内面を重視した選び方もありますが、忘れられない人になるために、相手に与える印象を演出する香り選びも取り入れてみましょう。
これは、相手に対して、ピュア、大人っぽい、色っぽい、やさしい、キュートなど、香りが与える人物印象からなりたいものを選ぶという方法です。
親しみやすさなら、オレンジやベルガモット。 若々しくフレッシュな印象なら、レモンを加えてもよいでしょう。 女性らしい柔らかな印象なら、ゼラニウムやローズ。 イランイランやジャスミンもフローラル系の香りで女性らしいですが、甘さが強いので、シトラス系の香りと併せて使うとよいでしょう。 クールな印象なら、グレープフルーツやフランキンセンス。 ミステリアスな印象なら、フローラル系の香りにパチュリやサンダルウッドなどをプラスしてみましょう。
自然に!が、忘れられない人になる秘訣
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香りは、自然に相手の中に残るもの。 やさしく自然な香りを選び、鼻から遠い足首や膝の裏側につけてみましょう。 香りは、下から立ち上るので、ほのかにふわっと香る程度で十分です。 そして、何度か会うことのある相手ならば、いつも同じ香りを身にまとうことで、「あ、この香りは、あの人だ!」と思い出してもらえるでしょう。
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