「会社を辞めたいんです」という人に「辞めたいなら辞めたらいいんじゃないですか?」と答えると、「でも、辞められないんです」と答える方、結構多いのです。その理由は様々ですが、辞められないっていうのは本当でしょうか?実は、本心では辞めたくないと思っている方も多いのです。
会社に退職を拒否する権利はない
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大前提として、退職したいという社員に対して、会社が退職を拒否する権利はありません。
もちろん、「明日辞めます!」というのは会社にとっては困りますから、適当な期間が必要ですが、「会社を辞められない」というのは、本当は発生しないことなのです。
適当な期間とは、勤務している会社の就業規則や入社の時に交わした雇用契約書に「退職する場合は●●日前に申し出る」と書かれているはずですので、それを確認してください。
多くの会社では45日〜1ヶ月ぐらいだと思います。
ただ、管理職の方や重要なプロジェクトに入っている方などは、早めに相談した方が良い場合もありますね。
「私がいなければ会社は回らない」の嘘
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会社を辞めたいのに辞められない、という方に理由を聞くと、「私がいないと回らないんです」「担当が私一人なので、辞めたら誰もできなくなります」と言われることも多いです。
会社から見たら、優秀な人材、使い勝手の良い人材は辞めてほしくありませんから、「あなたがいなくなったら困る」と言うかもしれません。
でも、誰か一人がいなくなって、回らなくなる会社はありません。
もし、社員が一人辞めたくらいで、会社が回らなくなるとしたら、遅かれ早かれその会社は立ちゆかなくなるでしょう。
あなたが辞めて、最初のうちは混乱するかもしれません。
だけど、数ヶ月もすれば、いなかったことが当たり前かのように会社は機能しだすのです。
私は、色々な会社に勤めてきましたが、誰かが抜けただけで回らなくなった会社は、1つもありませんでした。
私が会社を辞めるときも、「辞められたら困る」と散々引き止められましたが、私が辞めた後も、特に問題なく会社は運営されています。
社員一人が辞める影響力ってそんなに高くはないのですよ。
いつまで「育ててもらった」義理を感じますか?
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もう1つ、「辞められない」という理由で多いのは、「育ててもらったのに申し訳ない」というものです。
これは、特に未経験で入社して会社でスキルを学んだ方に多いですね。
確かに、育ててもらった恩というのはあると思うし、会社にしても、「せっかく育てたのに・・」という気持ちはあります。
でも、この「育ててもらったから」はいつまで感じ続けるのでしょうか。
恐らく何年経っても、同じことを言い続けていると思います。
「そうは言われても、やっぱり気になる」という方は、おおよそ3年で採用コスト、教育コストとトントンだと思って下さい。(もちろん、成長スピード等によって変わります)
だから、会社としては少なくとも3年以上は勤めて欲しいと思っています。
できれば5年ぐらい勤めて、プラスの成果を出してくれるとさらに嬉しいですね。
「育ててもらったのに」とお話しされる方は、すでに5年以上働いている方が少なくありません。
しかも、休日返上だったり時間外労働があったりと、かなり会社に対して貢献されています。
それぐらい貢献したなら、もうきっと恩返しは出来てると思いますよ。
本当の恩返しは、退職後に輝いていること
自分にとって思い入れのある会社であればあるほど、退職したいと思いつつ悩んでしまうのかもしれません。
だけど、「辞めたい」気持ちを抱えながら、その会社で働くことが良いことではありません。
会社に恩返しをしたいと思うなら、辞めた後に新しい職場で輝くこと。
「●●会社出身の人は優秀だね」と言ってもらうことです。
会社を辞めたいというのが本心なら、「辞められない」ということはありません。
もし、辞められないのだとすれば、それは「会社を辞められない」のではなく、「本当は辞めたくない。辞めるのが怖い」のかもしれません。
そんな時は、自分が本当はどう思っているのか、ジックリ自分と対話してみてくださいね。
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