女性のファッションアイテムとして欠かせないハイヒール。足が痛いのを我慢して履いてはいませんか?今回はベアフットトレーニングスペシャリストの資格を持つトレーナー山根がヒールと足との重要な関係性についてお教えします。
今回は特に女性の皆様に向けて、ハイヒールやブーツなどの靴が実際に足にどのような影響を与えているのか。
また、その足から全身へどのような影響があるのかトレーナー的な視点から述べていきたいと思います。
地面との唯一のコンタクトポイント
地球上で二足歩行をしている生き物はどこを見渡しても私たちだけです。
他の動物は皆、四足歩行で生活しており、移動の仕方は我々人間と異なります。
そしてその二足歩行をする上で、唯一地面と接触している部分が足になります。
その足から全身へ受けている影響というのは実は皆さんが想像している以上に大きいということなんです!
ヒールやブーツなどの靴が足のバランスを崩している!?
ヒールやブーツなどのかかとが上がっている状態、つまり強制的に爪先立ちになるような靴を履いている時間が長いとそれだけ足への影響は出てくる可能性が高くなります。
本来の人間の立ち方というのは足全体が地面に着いた状態です。
そして足の裏には、歩く時などに地面からの床反力(地面から返ってくる力)を上手く吸収し、前へ進む推進力を作ります重要なアーチというものが存在します。
ちなみに地面から跳ね返ってくる力は体重の1.0〜1.5倍と言われています。
爪先立ちの状態はそのアーチが引き伸ばされ上手く使えない状態です。
つまり、地面からの床反力を上手く吸収出来ず、足の裏全体に負荷がかかってしまっている状態なのです。
それにより、足の筋肉のバランスや立っているときの感覚などが崩れてしまい、外反母趾や扁平足といったものに繋がる可能性が出てくるというわけです。
足からバランスが崩れることによる全身への影響
爪先立ちの状態になると重心が必然的に前へ前へとなっていきます。
常に重心が前へいった前傾姿勢の状態でいると、膝の前の筋肉(大腿四頭筋)やふくらはぎなどに大きく負荷がかかります。
常にその状態でいると、O脚の原因になったり、腰痛や膝痛などの症状が出てきたりします。 足の裏が痛む事ももちろん出てくるでしょう。
改善する方法は!?
外反母趾に関しての改善方法ですが、実際に骨まで変形してしまっている段階までいくとトレーニングでの改善は難しいでしょう。
ただ症状としてそこまで重度でなく、足の筋肉のバランスが崩れているだけの段階でしたら治る可能性は大いにあります。
過剰に使ってしまっている筋肉をほぐした上でエクササイズ
行う場合は体のチェックをしっかりと行った上で、エクササイズをする必要があります。
良い加減になんとなく行ってしまうと悪化するパターンもあるので、それを踏まえた上でこんなエクササイズがあるという事を知って頂ければと思います。
今回ご紹介するエクササイズはショートフットというエクササイズです。
ショートフットは足のアーチをあげる効果や外反母趾に対して効果があります。
特に母趾外転筋という筋肉を使うのですが、外反母趾の方はこの母趾外転筋という筋肉が働いていない状態です。
これをもう一度働くようにしてあげるのがショートフットエクササイズです。
やり方はすべての足の指をあげます。
次に親指だけ下げていきます。 この時他の指はまだあげたままです。 親指が地面に着いたら、力を入れたままキープします。(出来ていれば内側のアーチが上がる感じがするはずです。)
最後に親指に力を入れてキープしたまま他の4本の指の力を抜いて降ろしていきます。 この時に他の4本の指がギュッと力が入らないように気をつけましょう。
まとめ
ヒールやブーツなど爪先立ちの状態が長く続くと足のバランスは乱れやすいです。
人は1日に5000〜8000歩平気で歩いています。
一歩歩くたびに体重の1.5倍の力を足が受けていると考えたら、決してないがしろに出来ないですよね!?
なのでまだ痛くないから良いや!という前にしっかりと予防していくことが、とても重要になってきます。
もちろん我流で行うのではなくきちんとした専門家に診てもらい、症状を改善していく事を強くオススメ致します。
参考文献
Evidence Baced Fitness Academy Level.1 Level.2 究極の身体 高岡英夫 標準整形外科学 中村利考
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