人と人との繋がりが希薄になっている現代社会で、誰かに相談したい、聞いてもらいたい。 その悩み、ゆっくりコーヒーを飲みながら本物のお坊さんが聞いてくれます!
寺カフェ代官山ってどんなお店ですか?
私たち『寺カフェ』は現代人の駆け込み寺です。
恵比寿駅から槍ヶ崎の交差点に向かって、お洒落なお店が立ち並ぶ駒沢通りをのんびり歩いていくと、五色幕で彩られたちょっと目を引くオープンテラスのカフェがあります。
陽が燦々と降り注ぐお店の構えは、それだけでなんだかパワースポットに来た感じを受けますが、ここは『カフェ』です。
ちょっと普通のカフェと違うのは、ここが『カフェ』であり『お寺』であるということ。
一歩お店の中に入ってみれば、そこは本当に和を基調にしたカフェです。
ただしお店の入り口、入って正面には本尊阿弥陀如来が安置されています。
早速、寺カフェの店長坂田さんと、常駐されている浄土真宗本願寺派女性僧侶の山口依乗さんにお話を伺いました。
『仏教を皆さまにとってもっと身近なものにしたい。その為に私たちは街に出ました。』
編集部ライター:なぜ寺カフェを作ろうと思ったのですか?
山口依乗さん(以下依乗):布教と伝導が主な目的です。
始めは別の場所で開いたのですが、カフェ、つまり飲食事業を趣旨として始めようとしたわけではないんです。
今の時代、葬儀や法事以外お寺に行く方たちが少なくなっています。
それはお寺の敷居が高くなって行きづらくなっていると思うのです。
人と人の繋がりが希薄になっている世の中で、誰しも何か思い悩み心が疲れている人たちがたくさんいます。
誰かに相談したいけど、誰にすればいいのか分からない。
本来『駆け込み寺』という言葉があるくらい、困って誰かに相談したいときはお寺に行ってお坊さんに相談するという習慣がありました。
それがいつの頃からか、お寺は気軽には立ち寄れない場所になってしまいました。
それなら、みんなが行きやすいサテライトとして、お寺の機能を全部持たせたカフェを展開しようとしたのが始まりです。いわば、現代の『駆け込み寺』ですね。
実際、お寺の中でカフェをしているところは沢山あります。
お庭を眺めながら、お抹茶をいただくようなスペースは全国にいっぱいあるんです。
ですが、カフェだけでお寺のことをしようと始めたのは『寺カフェ』が初めてですね。
ここは法事事も出来るんですよ。御本尊も安置していますし。
みなさんお寺って葬儀とか法事だけというイメージが強いと思うのですが、仏前結婚式もありますしお祝い事もあるんです。もちろん、こちらで結婚式も出来ますよ。(笑)
現代女性のお悩みとは?
編集部ライター:寺カフェに来られる方ってどんな方が多いですか?
店長坂田さん(以下店長):圧倒的に多いのは30代から40代の女性ですね。土日はお子様連れのお客様が多いです。
依乗:お悩み相談に来られる9割以上が20代から40代の女性です。
編集部ライター:どんなお悩み相談が多いですか?
依乗:だいたい多いのが、彼氏が出来ない、結婚相手がいない。この悩み相談は圧倒的に多いです。
婚活すればいいのにと思うのですが、それは・・・と積極的に行動されない方が多くて。どうしてでしょうね。(笑)
女性のお客様が多いので、やはり恋愛相談、家族間の人間関係、あとは職場での人間関係についてのご相談がほとんどです。
やはり思うのは、コミュニケーション不足ですね。ほんのちょっとの気遣いでうまくいくのですが・・・。
それから、私にご相談に来られる方はわりと年齢層の高い方が多く、そういう方はお子さんの問題、子育て、今朝も相談がありましたが、地域のコミュニティーに入っていけないという悩みが多いです。
いわゆる、社会で生きていくときの問題のほうが大きいですね。
店長:だいたい依乗さんに悩み相談でいらしたお客様は、号泣しています。
編集部ライター:えー!! 本当ですか??
依乗:決していじめているわけではないんですよ。(笑)顔を見ただけで泣き出される方が多くて。
私たち僧侶が、悩みの全てを解決する答えは持ち合わせていません。
ですが一緒に悩み、悲しみに寄り添いながら仏教の智慧(教え)をヒントに、その答え探しの手助けは出来るのではと思います。
寺カフェいちおしメニューは?
“寺カフェやすらぎ御膳“
編集部ライター:お寺でありカフェですから、イチオシのメニューはありますか?
店長:ございます!当店でのイチオシは『寺カフェやすらぎ御膳』です。
依乗さんからアドバイスをいただき考案したのですが、動物性の食材を避け、植物性の食材を使いヘルシーな精進料理に仕上げました。 食材の一部は、お寺で栽培されたものを使っています。(お米:島根産)
“寺カフェ野菜米粉パンケーキ“
店長:1日分の野菜(成人1日野菜300g)が摂取可能な食事パンケーキ『寺カフェ野菜パンケーキ』です。
10種類の生野菜と揚げ野菜を自家製チーズクリームソースでお楽しみいただけます。
月替わりで、生地に野菜パウダーを練り込んでモチモチに焼き上げています。 (パウダーは法蓮草、蓮根、人参、南瓜、紫芋、牛蒡、生姜の7種類になります。)
お坊さんと飲める『坊主BAR』
いちおしメニュー以外にも、あっさり和風だしで野菜と植物性たんぱく質のみで作った、寺カフェ名物!その名も『南無南無カレー』や、ティラミスならぬ『寺ミス』など、和を意識したモダンでユニークなネーミングの寺カフェメニューは盛りだくさん。
カフェとしてもかなり充実していますが、寺カフェはアルコールの提供もしていて、なんと月に一回、『坊主BAR』というイベントも開催されているんです!
“心をデトックスさせましょう“というコンセプトで、仕事の愚痴、将来の不安、恋愛、人間関係など、どんな悩みもお坊さんと一緒に飲みながら相談が出来るという『寺カフェ』ならではのイベントです。
なかなかお坊さんと一緒に飲めるという機会はありませんよね? もちろんソフトドリンクオーダーでの参加もOKです。
寺カフェの願い
私どもは仏様の智慧(教え)をヒントに、共に悩み語ることで僧侶に触れ、仏法に感心を持っていただき、そして本当の意味での心の安らぎを共にしたいとの願いで活動しています。
お寺はもともと心の安らぎを求める憩いの場でありました。そうした意味で、気軽にお茶を飲みながら楽しいひとときを僧侶とともに過ごしていただけたらと考えています。都会の駆け込み寺『寺カフェ』。
堅苦しいイメージを払拭して、誰でも気軽に、心も身体も一休みできる場所。
のんびりお茶を楽しむもよし、知人や友人、家族と食事を楽しむもよし、ほんの少し誰かに聞いてもらいたいと、ふらりと気の向くままに訪れるのもよし。
新しい感覚のこのカフェは、悩める現代人が求めている空間と時間なのかもしれませんね。
営業時間や僧侶の駐在時間、イベント告知など、ホームページをご覧下さい。
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